カテゴリー別アーカイブ: 02. 研究・エビデンス

2013年からエビデンスプロジェクトなど研究事業を行っております。現在は九州大学との共同研究が継続して行われています。

自己効力感とは?「未来の自分への自信と準備」

●●●●●●●●●
光岡眞里の「あゆみ」メールマガジン今日も元気にパワフルに!
作者:光岡眞里 2017年1月12日号 VOL.310 購読者:2307名
●●●●●●●●●

2013年粕屋町で始まった脳若トレーニングエビデンスプロジェクト。
評価尺度の一つに「自己効力感」テストというのがありました。

学会発表では触れませんでしたが、実は自己効力感、落ちちゃったんですよ。

★自己効力感とは
人が何らかの課題に直面した際、こうすればうまくいくはずだという期待(結果期待)に対して、自分はそれが実行できるという期待(効力期待)や自信のことをいう。 心理学者のバンデューラが唱えた概念で、動機づけに大きな影響を及ぼす要因の1つと考えられている。

その行動を実際に始めるかどうか、
どのくらい努力を継続するか、
そして困難に直面したときにどのくらい耐えられるか、
ということを決定づけるのが「自己効力感」。(コトバンクより)

これが落ちたとなれば、ちょっと焦りますよ。
で、当時ヒアリングした中でどういう声が多かったかというと

「自分はいつまでも若いと思っていたのにトレーニングをきっかけに
改めて認知機能や集中力の低下をまざまざと感じた」
というものでした。

このままじゃヤバイ!

と感じたことが要因だとすれば、それはそれで大変興味深く
意味があることだとポジティブに捉えましたけどね。

未来の自分への自信、どのくらいですか?そして準備は?

時間と月日がたつのはみな同じ。若いころはいいですよ。
でもみ~んな平等に歳をとる。
また認知症に関しては誰でもなり得る病気です。

亡くなった母はあんなに元気だったのに
将来の自分への自信がなくなったと思い始めた途端に
弱っていったような気がします。

根拠のない自信ではなく
根拠のある毎日を過ごし、
積み上げていくのが定石でしょう。

健康、認知、知識(スキル)もそう。
それに伴い、「柔軟性」も大事な要素となります。
頑固はダメッ(^_-)-☆

レジリエンス(しなやかに生きる力)にも影響を及ぼす、
この素敵な生きるパワーを身にまといたいものです。
*****************
★脳若の新しい仲間として、『脳若ケア』が誕生しました。

介護施設での利用を念頭に、生活機能向上に役立つトレーニングとして開発。
iPadを中心に、(ひとりで)(対面で)(みんなで)楽しめるツールです。
目標は「日常生活を取り戻すこと」
クラウドで配信する多彩なトレーニングプログラムが、生活機能向上を目指した機能訓練を支えます。
iPadでお試し版を体験できます<脳若ケアLite>無料

★メルマガバックナンバー
★メルマガ登録・配信停止・ご感想・お問い合わせ
info@somelight.co.jp

株式会社サムライト
光岡眞里
*****************

行動の変容を促すレジリエンスデザイン~小さなシグナルを見逃さない

約束

本日は新宮町で講演。町の生活支援サポーター養成講座の最終回を担当します。最初のスライドでは「わたし、女、寅さんです」という自己紹介からです。全国各地、いろいろ行ってますがその中でも昨年群馬県沼田市で講演した際のエピソードをご紹介します。
沼田といえば、ちょうどその時やってた大河ドラマ「真田丸」で沼田城が注目されてましたが雰囲気もなんとなく「山城~」という感じで、立派なお侍さんがたくさんこの道を城へ向かって歩いたんだろうなぁ、なんて思いながら会場へ向かいました。

沼田市では株式会社ジーシーシースタッフ様が「脳若トレーニング」を開催、この日はその予防講座の終了後の卒業生を囲んでというイベント。しかも、「男のタブレット教室」という目を引く講座タイトルでした!卒業イベントは女性もお呼びしましょう、ということになり、婦人会などにもお声掛け、和やかな雰囲気でお話させていただいたのを覚えてます。

話の中に「好奇心や興味が薄れると脳の働きがどんどん悪くなる」というくだりがありまして、「興味がない」等のマイナスレッテル情報は脳に悪影響を及ぼすんですよ、とお話したところ、ある男性がボソッと「自分は水墨画をやっていて前は沢山書いて人にあげたりしていた。だけど今、一人になってある日突然書く気が無くなってしまった。やる気がなくなったという感じ。」

「もう書きたくないですか?」
「そうは思わないけど、やる気が出ない」

やりとりが続く中、パワフルだった母が「何にもしたくなくなった…」と言い始めてから体力と気力の衰えが急速に進んだこと、すぐ思い出しました。

「すぐに、とは言わないから、そうね、今年中でいいです。まだ夏だから時間はたっぷりよ!私に1枚書いてくれませんか?」
「・・・」
「出来たらでいいです。無理しなくていい。でもこの約束は覚えておいてほしいから握手しましょう」
といってしっかりと手を握って握手して別れました。

で、今年の正月、ジーシーシースタッフさん経由で私のところへ届きましたよ。

嬉しかったですね~

3枚も力作が・・・!
3枚も力作が・・・!

すぐ、手紙とお礼に「博多通りもん」を
送った、という話です。

その後のこの男性に「行動の変容」が起きたのか否か?興味があるところです。

行動の変容を促すレジリエンスデザイン

以前のブログ記事(行動の変容と未来の特典【脳若トレーニングとは?】)でも触れたように、行動の変容が未来にどんな変化をもたらすのか?またそれを早い時点で気づくことができるか?そして「変化への対応と準備の重要性」をいかに啓蒙できるか…これが「みつおか式 脳若トレーニング」にメソッドとしていかに浸透できるか、これが私の今の最大の課題とテーマです。

これについてはサムライトのホームページに掲載の九州大学応用生理人類学研究センターレジリエンスデザイン部門の尾方義人准教授にも言葉を頂いています。共同研究の中で考え方の認識を合わせながら「みつおか式」を展開していきたいのです。

九州大学芸術工学部との共同研究。行為分析から認知機能の向上、そして高齢者のレジリエンスを探る。

なぜエビデンスか?

「脳若トレーニング」を事業としてやれないかと模索し始めたころ、イギリスBCCがスポンサーになって行われた大規模な研究がニュースで流れました。「英国脳機能テスト」と呼ばれるそうですが、結果、「脳トレは役に立たない」という記事が世界中に出回りました。脳トレやゲームのイメージが安っぽくなったきっかけだったのではないでしょうか。ところが、この研究はすぐに研究方法と解釈に不十分な点が多々あり、かなり批判されたらしいのですが、それがニュースになることはなかったという事を最近知りました。

当時私は、パソコン教室に集まってくるシニアさんを見て、パソコンはあくまでツールであり、必要なのは人との繋がり、コミュニケーションだと強く感じていました。だから介護予防を切り口にiPadをツールにし、コミュニケーション重視の講座を作ろうと考えた事は、本当に自然な流れでした。

あの研究が、発表された時はやっぱりゲームだけ黙々とやるのは意味がないよねと思ったものです。アプリを作るのでなく集合で出来る教材を作り、「コミュニケーション」を『脳若』の特徴としてアピールしてきましたが、やはり「脳トレ」のイメージはぬぐえないものでした。だから介護施設でもレクリエーションとしてしか見てもらえなかった。高齢者の方が喜んでいただければそれでいいじゃないか、エビデンスなんかいらない、と割り切っていた時期も確かにありましたね。

最近の研究ではfMRI等に代表される脳の神経画像処理技術の急速な発達で、様々な事が明らかになっているようです。脳の機能を良くする事は何歳になってからでも遅くないとされ、運動だけではなく脳のトレーニングの効果、脳を鍛える事の重要性を明確に証明しようとする研究が世界中で進んでいます。

私自身、脳の事はまだまだ未開でエビデンスって無理があるよね、という考えを持っていましたので、これからはもっと前向きに「科学的な根拠」についてアンテナをはる必要があると思っています。

『脳若』の科学的根拠は?

DBJ(日本政策投資銀行)の女性ビジネスコンペで残った時、最後の審査員からの総評に「エビデンス」の必要性を指摘されました。また同時に、こんなに受講生の様子が変わり、喜んでもらえる事業をもっと広めたい、その為に研究発表を行うことには意義があるんだと自分で腹落ちしてからは早かったですね。忘れもしません、福岡県粕屋町の役場の駐車場に早朝から福祉課の担当者が出勤してくるのを待ち伏せ、エビデンスプロジェクトの協力を直談判したのでした。「研究費を国の補助金をあてに待っていたらいつまでたっても出来ないんです、自腹でやりますから協力してください!」そう言って始まったエビデンスプロジェクト。町内の65歳以上100名を対象に実証実験を実施(ホントは400名集まったのですがなにせ自腹ですから…泣く泣くお断りしました)。九州大学人間環境学府(当時)の北野祥子氏により、実験計画・評価の支援をお願いすることができました。そして学会発表まで、今思えばあっという間でしたね。

2014/10/26「第9回日本応用老年学会大会」
2015/9/26「第5回日本認知症予防学会学術集会」

人前で喋るのは慣れていますが、さすがに「アウェイ」(笑)ですから医者や研究者の前で発表するのは緊張しましたね。

神戸で行われた第5回認知症予防学会
2015/9/26「第5回日本認知症予防学会学術集会」
脳若トレーニング介入効果【即時再生】
脳若トレーニング介入効果【即時再生】
脳若トレーニング介入効果【遅延再生】
脳若トレーニング介入効果【遅延再生】

九州大学芸術工学部との共同研究で何を模索するのか?

今年から始まった大学との研究なのですがタイトルは「認知機能のレジリエンスに関する基礎的研究」。「レジリエンス」というのは心理学の言葉で、「復活力、回復力」のようなニュアンスの意味です。
手始めに、「脳若トレーニング」の様子をビデオに収録し行為分析を徹底的に行うことから始めました。丁寧に、アナログで見える形にしたものがこちら。

共同研究打ち合わせ(九州大学大橋キャンパスにて)
共同研究打ち合わせ(九州大学大橋キャンパスにて)

私は学者でないので詳しいところはわかりませんが、こんな順番で行われればいいなと思うんです。

  1. 仮説を立て、データを集めて、検証する
  2. アウトプットしてまとめる
  3. 形にしてサービス、商品として世に出す
  4. 多くの人がその恩恵にあずかる

この度の共同研究、私が担当する仕事は3ですね。

良い研究を行ったとしても、それがちゃんと世の中に出て、本当に役に立たなければ意味がありません。

正しい広告宣伝、教材への落とし込み、使いやすいアプリの開発、が私どもの役目となるでしょう。まだまだ道のりは長いですが、これぞ着実に前に進めるべき事として来年のメインテーマになるはずです。