2024/09/12 光岡眞里の「あゆみ」メールマガジン【AIと医療】

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光岡眞里の「あゆみ」メールマガジン今日も元気にパワフルに!
作者:光岡眞里 2024年09月12日号 VOL.705
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国際学会では基調講演としてWHO(世界保健機関)の話があり、興味をひいた。
ちょいと長いがせっかくなのでレポートしたい。

一枚のスライドについてだ。
曲線グラフに山が2つ。
1つのエリアは「Human」もう1つのエリアは「AI」となっている。

これは、
医師と人工知能(AI)が患者の質問に対してどのように応答したか、以下の2つの側面で比較しているグラフだ。

 1. 質の比較 (Quality)
 2. 共感の比較 (Empathy)

AIは瞬時に数百万件の論文や症例データを参照し、最適な治療法を提案することができ、さらにそれを患者ごとにパーソナライズして提供できる点で人には太刀打ちできない。

では2は?

結果、
評価の78.6%において、AIの応答が医師の応答よりも好まれたと記されている。

この結果から、AIの応答は質の面でも共感の面でも、特に共感において非常に好意的に評価されることが既にわかっているのだという。

私たちがすぐに答えられそうな懸念点も、当然あげられている。

医療は人命に関わるものであり、AIが誤った判断を下す可能性や、医師と異なる方法でのリスク管理が課題だと。

しかし、こうした懸念はAI技術の進化とともに改善されつつあり、医師とAIが協力して最適な医療を提供する「共存」モデルが有力視されているというわけだ。

そこはわかる。

だが2の方だ。

人間らしい共感の部分までもAIは人を超えているのか?!
従来、共感は人間にしか持ち得ない感情であり、AIには再現できないものと考えられていた。

なぜこの結果に?
その理由はこうだ。

AIは感情に左右されず、一貫した応答を返すことができるため、常に冷静で丁寧な言葉遣いを保つことが可能。医師は忙しい診察の中で、時には十分な時間を割けないことがあり、その結果、患者が冷たく感じることもあるだろう。患者の質問や不安に対して丁寧かつ的確に対応し続けることで、患者に安心感を与えることができる。

最近のAIは患者の表情や声のトーンを解析し、その感情に合わせた適切な応答を生成する技術も進化してきている。これにより、患者は「自分の気持ちを理解してもらっている」と感じることができ、共感を強く感じるのである。さらに、AIは時間や場所を問わず、常にアクセス可能であるため、患者はいつでも自分の悩みを聞いてもらえるという安心感を得ることができると。

こりゃあ
人では太刀打ちできないじゃないか・・・

もちろん、AIが医師を完全に代替することは現実的ではないが、AIと医師が互いに補完し合うことで、患者にとってより良い医療環境を提供できる未来が見えてくる。

と締めくくってある。

「上手く共存しろよ」

これが今のところ、WHOの答えなんだと思った。

おわり。
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