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光岡眞里の「あゆみ」メールマガジン今日も元気にパワフルに!
作者:光岡眞里 2025年3月20日号 VOL.732
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健康寿命という言葉がある。
これは要するに、病気があっても日常生活に支障がなければ「健康」と見なされるという考え方だ。
しかし、それは本当に「健康」なのだろうか。
たとえば、朝起きて腰が少し痛む。
でもお茶を淹れ、本を読み、適度に歩き、誰かと話し、夜には静かに眠る。
それで十分に満ち足りているのなら、それは健康と言えるのだろうか。
このところ、健康というものが単なる「体の状態」ではなく、「どれだけ自分らしく生きられるか」という問題と結びついているように思える。
いわゆる ウェル・ビーイングというやつだ。
(Well-being:心身ともに満たされた状態、実感としての幸せ、心の豊かさなどを表す言葉)
歩数や心拍数がどうこうという話ではなく、もっとこう、風の吹く感じとか、好きな音楽を聴く時間とか、ちょっとした冗談にくすりと笑う瞬間とか、そういうものを含めて「健康」を考えるべきなんじゃないか。
その、なんだかわかりにくい健康というものを「健康寿命の延伸の為に!」と掲げるのも滑稽な気がする。
明日はWell-being学会に参加する予定だ。
Well-being、つまり「よく生きる」ことについて考える場だ。たぶん、そこで語られるのは「健康寿命をどう延ばすか」とか「客観的データをどう活用するか」とか、そういう話が中心になるのだろう。でも、結局のところ、健康も幸福も、最後は自分の主観に落ち着く。どれだけ数値を積み上げても、「ああ、今日も悪くなかったな」と思える日々を過ごせるかどうかが、すべてを決めるのだ。
未来の健康寿命とは、ただ長く生きることではなく、自分のペースで、誰かと心地よい距離感で、ほどよく自由に生きることなのかもしれない。
まあ、それが実現するかどうかは、もう少し考えてみる必要があるけれど。
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