2025/04/24 光岡眞里の「あゆみ」メールマガジン【再開の効能】

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光岡眞里の「あゆみ」メールマガジン今日も元気にパワフルに!
作者:光岡眞里 2025年04月24日号 VOL.737
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大学同期(女子剣道部)の還暦旅行に行ってきた。

1965年(昭和40年)の巳年生まれは約182万人。
同学年の丙午(ひのえうま)生まれは約136万人と25%減の迷信は知っている人も多いだろう。いずれにせよ東京オリンピックに沸いた希望と活気の冷めないなかで生まれた世代だ。

剣道界の重鎮になった者もいれば、まったく違う世界で懸命に働く者もいる。病気をした人もいれば、家族のことで苦労をした人もいる。でも、再会した瞬間に、私たちは一瞬で「学生の頃」に戻れる。

脳の記憶って面白い。心理学の研究によると、「青春時代に一緒に過ごした仲間と再会したとき、人はその頃の感情や言葉遣い、立ち振る舞いさえも再現しやすい」のだそうだ。理由は、海馬の長期記憶が強く定着しているからだとか。

確かに、私たちは一瞬で、寮の部屋の湿っぽい空気や、道場の床の感じまで思い出した。まるで記憶がタイムスリップしてきたみたいだった。

そうそう、あの歌。

「僕らは位置について 横一列でスタートを切ったぁ」

みんな違う道を歩いてきた。でも、どこかで「同じ時間の始まり」を共有していたという事実だけが、今も静かに私たちを繋げている。

一緒に並んでお風呂に行き、大声で笑って、時々しんみりして、それでも笑った。人生100年時代と言われる今、還暦はちょうど「60%」にすぎない。この先に、40年もあるかもしれないのだ。だったら、あと何回、こんなふうに大笑いできるだろう?

あの頃のように、体力勝負の稽古はもう無理だけど、笑いの回数なら、まだまだ取り戻せそうな気がした。

そうだ、これからは「どれだけ笑えるか」で勝負しようじゃないか。

順位なんかなくていい。ただ、明日からの毎日を、ちゃんと楽しむための剣を持って、またそれぞれの人生の畳の上に立つ。竹刀の代わりに、少し強くなった心を持って。

日頃のキツさをぜ~んぶ忘れて解き放たれた時間、ほんと楽しかった!
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