**************
光岡眞里の「あゆみ」メールマガジン今日も元気にパワフルに!
作者:光岡眞里 2025年05月08日号 VOL.739
**************
風の匂いが少しずつ夏の色を帯びてきましたね。日差しが強くなると、ふと「この町で歳を取るって、どういうことだろう」と思うのです。今日はそんな話です。
2040年に向けて、地域の医療と介護のあり方が、大きく揺れ動いていることをご存じですか?
急性期病院を集約し、これからは「治す」だけでなく「支える」医療が主役になる。そんな方向に舵が切られようとしています。
たとえば──
「病院で管につながれながら最期を迎えるより、自分の家で、少しずつ静かに暮らしを終えていきたい」
そんな声が増えてきました。かつて“当たり前”だった病院での死から、今は“選んだ最期”へ。
これは、団塊の世代を中心にじわじわと広がっている新しい「常識」なのだそうです。
でも、この「静かに枯れるように終える」という選択は、誰もが自然に手に入れられるわけではありません。
在宅医療が整っている町と、そうでない町。サポートがある地域と、そうでない地域。
すでにその“差”は生まれていて、これからもっと広がると言われています。
だからこそ、考えておきたいのです。
「どこで、どんなふうに年を重ね、どこで、誰と暮らし、どう終えるか」を。
どんな施設が地域に残るか、どんな人材がこの町にとどまるか──
それは、医療・介護の「提供者」の都合だけでは決まりません。
「受け手」である私たちの声と行動、そして選択が大きな意味を持つのです。
目の前の診察券や介護保険証を手にするだけではなく、
その先にある「暮らしの形」「終え方のスタイル」まで、
今から少しずつ、考え始めてもいいのかもしれませんね。
この先、歳を重ねる自分にできること。
まだまだ働くけれど、たまには立ち止まって、静かに考えてみたいことです。
おわり。
*****************