2026/04/02 光岡眞里の「あゆみ」メールマガジン【バンクーバー】

**************
光岡眞里の「あゆみ」メールマガジン今日も元気にパワフルに!
作者:光岡眞里 2026年04月02日号 VOL.786
**************
バンクーバーへ行ってきた。
カナダ・バンクーバー。世界各地の研究者・医療関係者・政策立案者が集う国際ジェロンテクノロジー学会(ISG2026)に参加するためだ。自分の研究を発表する機会をいただいたが、研究者としてはまだまだ未熟な私にとって、世界の舞台に立つことそのものが大きな学びだった。
ほぼホテルに缶詰め。朝から晩まで会議が続くだけでなく、発表資料の変更・更新がギリギリまで続いた。オーシャンビューの部屋は割高だったので、窓から見えるのはビルと空だけだ。それでも、建物の造りが美しく、カモメが飛んでいた。
街に出る機会はほぼなくて、大学とホテルの往復だったが、物価の高さには驚いた。日本の1.5倍はする。コーヒー一杯で千円を超える感覚だ。治安がとくに悪いわけではないが、大通りを歩いていると、明らかにドラッグをやっているとわかる人たちをちらほら見かけた。カナダ社会の課題が、目に見える形で現れていた。
今年の学会の話をしよう。
2年前、フランクフルトで同じ学会に参加したとき、会場にロボットが登場して皆が沸いた。しかし今年のバンクーバーは全く違った。

AI一色だ。

準備していった同時通訳イヤホンも大活躍した。英語の基調講演がリアルタイムで日本語になる。AI搭載で議事録とマインドマップまで。テクノロジーにしっかり助けてもらった。
今大会で繰り返し強調されていたのは、AIの進化が「指数関数的」だということだ。雪だるまが坂を転がりながらどんどん大きくなるように、加速していく。
自宅で血液を採取できるロボット、歩き方だけで転倒リスクを測るAI——そういった話が「近未来」ではなく「もうすぐそこ」の話として語られていた。
印象に残ったのは「AIバイアス」の話だ。「高齢者向けのデバイスを設計して」とAIに指示すると、高い確率で車椅子・手すり・病院のような殺風景なデザインを生成するという。
AIは学習データの鏡だ。「高齢者=弱い・不自由」という社会の思い込みが、そのままAIに刷り込まれている。健康で活動的な高齢者の姿をデータに入れていかなければ、製品設計が間違った方向に進む。私たちがやっていることの意味を、改めて感じた。高齢者はひとくくりに出来ないということは現場を知っていれば皆が承知だ。
もうひとつ印象的だったのが「人間性配当」という言葉だ。介護・医療の現場では、業務の約40%が書類仕事などの事務作業だという。そこをAIに任せることで空いた時間を、人と向き合うケアに使う。AIを使いこなせば、機械が事務を引き受け、人間が人間にもっと向き合える。

結局、私が発表で一番伝えたかったのもその辺のところだ。

「おたがいさま」がウェルビーイングだということ。

人と人がつながり、支え合う関係こそが、健康で豊かに老いることの核心にある。世界の研究者たちの前で幼稚にそれを語りながら、同時に、まだまだ学ばなければならないことの多さも痛感。
外に出て初めてわかることが、たくさんあった。

自分はなんて小さくて無知なんだと思い知らされるが前向きにとらえ、大きな刺激として日本に持ち帰った。

おわり。
*****************
★ウェルビーイング学会 ジャーナル創刊号『Journal of Wellbeing』に執筆者として掲載されました。
https://f.bmb.jp/8/4281/1241/138
★国際学術誌「Gerontechnology」に研究論文が掲載されました!
https://f.bmb.jp/8/4281/1242/138
★脳若365のお友達追加はこちら
https://f.bmb.jp/8/4281/1243/138
★Instagram #母は元気です #mari_mitsuokaで検索
★脳若ブログ
https://f.bmb.jp/8/4281/1244/138
★メルマガ登録・配信停止
このメールマガジンはこれまでご縁のあった方にお送りしております。
不要の方はこちらのページから解除、
またはこのメールに返信していただきますようお願いいたします。
https://f.bmb.jp/8/4281/1245/138
★ご感想・お問い合わせ
info@somelight.co.jp
*****************