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光岡眞里の「あゆみ」メールマガジン今日も元気にパワフルに!
作者:光岡眞里 2025年08月28日号 VOL.755
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「幸せ」とは何か。ずっと問い続けている。
進化の観点から見れば、生物にとっての幸せとは「死から遠ざかっている状態」と言えるのかもしれない。命をつなぐために食べ、危険を避けて生き延びる。子孫を残し、育てる。生存と生殖、この二つの本能が、生物の進化を支えてきた。
人間もまた、死から遠ざかるために生きている。健康な身体を保ち、社会の中で役割を果たし、他者とつながり、承認を得ることが、生きる力につながっている。人間が他の生物と大きく異なるのは、他者からの感謝や共感が、幸福の中核を占めているという点だ。
母は、最期を迎える前、多くの人に「ありがとう」を伝え続けた。その姿には、言葉にならない幸福の形が確かにあった。
現代社会は、必要以上の「快適さ」を追い求める構造になっている。利便性や情報、モノに囲まれているはずなのに、孤立や心身の不調を感じる人が後を絶たない。都市の暮らしは、しばしば「死に近づく」生活スタイルを強いてくる。
その一方で、地域での活動や助け合いは、進化の記憶に根ざした「自然な幸福」を思い出させる場になる。スキボラ(すきま×ボランティア)や介護予防サポーターの取り組みには、自分が誰かの役に立っているという確かな実感がある。健全な承認欲求の満たし方とも言える。
ICTを使えば、活動の可視化が進み、地域でのつながりや評価も生まれる。ただし、こうした仕組みが日本社会に根づくには、時間と試行錯誤が必要だ。
人類の進化がゆっくりだったのに対し、社会とテクノロジーの変化はあまりに急だ。今の子どもたちは、強い刺激と情報の洪水の中で育っている。この環境が、果たして心や体にとって健全なのか。未来を思うと、少し不安になる。
自然との接点を保ちつつ、ICTやAIを補助的に使って、人と人とのつながりを再構築する。これが、「遺伝子と環境の不適合」を埋める鍵になる。システムなどを通じて地域とつながる仕組みは、その一歩として意味があると思うのだ。
生物学的に見れば、幸せとは「死から遠ざかること」。人間にとってのそれは、健康であり、社会的なつながりであり、夢や希望を持ち続けることとつながっている。
地域活動とICTの融合は、そんな「幸せ」を支えるための新しい仕組みになり得る。それが誰かの役に立ち、自分自身の生きがいにもつながっていくならば、この仕事には確かな価値とやりがいがある。
おわり。
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