2025/11/13 光岡眞里の「あゆみ」メールマガジン【投資信託。退屈を続ける力】

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光岡眞里の「あゆみ」メールマガジン今日も元気にパワフルに!
作者:光岡眞里 2025年11月13日号 VOL.766
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「コツコツ積み立てることが大事」と言われても、正直、退屈だと感じる人は多い。
市場が大きく動いたり、SNSで誰かの成功談が話題になったりすると、静かな積み立てよりも派手な挑戦の方に惹かれてしまう。事実、取り残されているような気分になるわけだ。

だが、長い時間の中で本当に成果を上げている人は、驚くほど淡々としている。
派手さも興奮もない。あるのは“退屈を続ける力”だ。
相場が下がる局面で最も避けるべきは、焦って動くことだとある投資のプロから聞いている。

黙って積み立てなさい、と。

市場を予測しようとするほど、心は乱れ、結果は遠ざかる。
資本主義が続く限り、世界の企業は利益を生み続けてきた。
だからこそ、「市場に居続ける」という姿勢が、やがて大きな果実をもたらすのだ。
要は、短期的な波に心を奪われないこと。
上がろうが下がろうが、淡々と積み重ねていくことだ。

大切なのは、「目的」と「手段」を取り違えないこと。

例えば、「老後資金として◯◯万円つくりたい」という目的があって、そのための手段としてNISAがあり、その中身としてS&P500やオルカンを買う、という順番が正しい。
 反対に「S&P500を買いたい」が目的になってしまうと、失敗するという。

人生もそうなんじゃないか?

投資も、健康づくりも、学びも同じ構造をもっている。
手段はあくまで手段であって、それ自体が目的になった途端に、方向を見失う。
“なぜそれを続けるのか”という問いを、時折思い出す必要がある。

長期的な営みには必ず「飽きる瞬間」が訪れる。
ゴールがぼやけたままでは、その瞬間に心が折れる。

反対に、目的が明確であれば、退屈さえも道のりの一部として受け入れられる。
「歯磨き」のように、習慣化された行為には、余計な迷いがないというわけだ。
これは私の講演会でもお馴染みの比喩だ。

毎月の積立も、早朝の散歩も、日々の呼吸も同じ。
それを「続ける」こと自体が、生きる力になる。

そしてウェルビーイングとは、幸福感や満足の瞬間ではなく、こうした「淡々と続ける力」の中に宿る。
浮き沈みを超えて、自分のペースで歩き続けること。
結果よりも、続けている時間そのものが、人生を形づくる。

やっぱり退屈の中にこそ、本当の豊かさが潜んでいるんじゃないか?
その静かな積み重ねが、心の安定をつくり、身体を整え、

「幸せ」になるのだ。

おわり。
<補足>
S&P500(米国の代表的な株価指数の1つで米国経済の動向を反映する重要な指標)
オルカン(オール・カントリーの略で、全世界株式の投資信託のこと)
ウェルビーイング(心身の健康や社会的な充足感が満たされた状態)
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