2025/11/27 光岡眞里の「あゆみ」メールマガジン【熊野古道で見えたもの――生き延びるためのストーリー】

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光岡眞里の「あゆみ」メールマガジン今日も元気にパワフルに!
作者:光岡眞里 2025年11月27日号 VOL.768
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この連休、熊野古道を歩いた。
伊勢から那智の滝、そして高野三山へ。急登と長い下り階段、深い杉林の小道が続き、終わりの見えない旅はまるで人生そのものの縮図のようだった。

朝早くからの山行だったが、すれ違う人の95%は外国人だった。(一緒に歩いた人が数えてくれていた)
世界遺産として知られる熊野古道は、海外のハイカーに高い人気があるらしい。江戸時代の茶屋跡や宿場跡が残る一方、実際に泊まった宿はどこもインバウンド向けに再構築されていた。
1日目の宿には事業再構築補助金のステッカーが貼られ、何かの商売が新しい形で生まれ変わっていた。2日目は廃校を活用した宿で、世界の国旗や多言語案内が並び、かつての教室に国境を越えた息づかいが流れていた。

高野町の小さな役場の横を通った際、ここではプロジェクトチームが本気でインバウンド戦略を練り、世界に向けて情報発信していると聞いた。人口減少や高齢化が進んでも、知恵を絞り、新しい物語を生み出すことで地域は生き延びることができる。

歴史的価値だけではない。日常の風景こそ、外から見れば特別な意味を持つ。何でもないと思ってきた景色が、誰かにとっては旅の目的になる。そこに気づけるかどうかが生き残りの分岐点なのだと感じた。

地域が失うものばかり数えるのではなく、今あるものに光を当てる視点。
そして、その価値を伝える物語づくり。

熊野古道の静かな道を歩きながら、未来へのヒントは過去ではなく、見方を変える現在にこそ眠っていると強く実感した。
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