介護予防事業って何なんだ？
私が初めて「介護予防」という言葉を知ったのは2005年頃。シニア向けパソコン教室を地域の公民館で開催していたころです。私は父親が17年間、ほぼ寝たきりでしたので、病院や、介護施設とは子供のころからずっと縁はありましたが、医療保険や介護保険の事は全く知識がありませんでした。一般病棟にたらい回しで長期入院が何年も続いた後、特別養護老人ホームへ入所。厚労省の資料をたまたま読んでいくなかで、介護保険というものが2000年から始まっていて、うちの父親はその制度にのかってるんだなと認識したのを覚えています。
その中で、これからは「介護予防」というのがとても大事になってくるんです、みたいな厚労省の資料を読み、「介護予防」とは「高齢者が一日でも長く元気で、要介護状態になるのを防いだり、要介護状態の人が悪化するのを防ぎ、改善を図ること。」であることを知ります。
とても幸せな老後を過ごしたとは言えない父親をみて、「介護予防」って大事だよなと思いましたし、「予防」という意味では今やっているシニア向けパソコン教室もまさしく「介護予防」だと腹におちました。ただ、パソコン教室の生徒様には「一生のお付き合いをしましょうね」とは言いましたが、「介護にならないよう、講座に来ましょう！」なんてことはもちろん言いませんでした。ちょっとそれはニュアンスが違いますよね。でも答えはわからなかった。
事業として「介護予防」をやる
そのころから、パソコン教室でただ操作方法を教える講座ではなく「介護予防」を切り口に何か新しい事業ができないかな？と思うようになりました。最初はもちろん無料で介護施設などで講座をやってみたのですが、どの介護施設もボランティアならいくらでも来てくれていいよ、って言われましたね。自分一人だけでボランティアでやるんだったらいくらでもやれるけど、2009年に法人化して小さくてもこれを事業として始めると決めたので、そこからが苦しい道のりだったです。人脈なし、知識なし、お金もなし、エビデンスもないから怪しい。。。でも受けてくれる人は本当に喜んでくれました。
それから、「脳の若返り教室」(後に脳若となります)なんて名前を付けても誰も注目してくれない日々が続くのですがそんなある時、老人ホームで認知症の男性の方にiPadを触ってもらったときの事です。覚醒したみたいになって、私にたくさんの事を話してくれました。現役時代は偉い人だったとは聞きましたが認知症ってこんなになるんだ、って最初はとまどったけど父親で慣れてましたのでね。会話はスムーズですごく楽しかった。「おい、おまえ、また来いよ」「頼むよ」って言われて、私が帰るのをずっと目で追ってくれた時、あ、この事業、やらなきゃ。って思ったんです。
長い道のりですが一歩ずつ前進
サムライトはこれまでコミュニケーション重視のトレーニングと地域の力を活用する人材育成の仕組みで、介護予防事業のパッケージを提供してきました。
おかげさまで現在、「脳若」は全国70市町村以上の介護予防トレーニングとして採用され、楽しく認知機能向上につながる講座として高い評価をいただいています。
1カ所から始めた自治体の予防講座は2016年には64市町村、2017年度は70市町村を超える
さらに「脳若」はトレーニング提供事業だけではなく、
（１）介護施設で行うトレーニングツール
（２）介護予防の担い手をつくる事業
（３）100歳まで元気で生きる為のメソッド作り
など、超高齢社会に向けた様々なサービスを開発・提供しています。
（１）iPad1台でできる生活機能向上のためのトレーニングツール「脳若ケア」は主に介護施設で利用されている
（２）自治体での生活支援サポータ養成講座の様子。平成27年度から手掛け、ライセンス先様がこの講座を行えるよう支援。
（３）今年度、本格的に取り組みを行う「レジリエンス・メソッド」のサービス
制度や事業環境が大きく変化する今こそ、介護予防事業に取組むチャンスです。
そして今、2015年度に始まった「介護予防・日常生活支援総合事業」が全国各地で具体化・本格化しています。
また、2018年度の診療報酬と介護報酬のダブル改定も目前です。
新たなシニアビジネス、保険外事業の模索など、ビジネスを考える方は一度はこの市場を検討するのではないでしょうか？但し、なにか儲け話はないか？とお考えの方には特に強いインパクトはないと思います。正直、花火のようにパッとブレイクしてすぐに忘れられるサービスは作りたくありません。息の長い、間違えのない信頼あるファンつくり。これを目指していってこそやる価値があるものだと考えます。
弊社はこれまで、本気で超高齢社会に向き合う方々と「脳若」を通じてご縁をつないできました。世の中にこのサービスが必要である、と感じて頂いた方々です。社会貢献だけでなく、ボランティアでもない。一歩一歩ですが間違えない方向へ着実に事業を進めていく方法をご提案しています。これは世の中が今までと違う流れになっている今だからこそ、取り組むチャンスだと思うのです。
この度、新しい介護予防事業「脳若」をもっと広く知っていただくために以前開催しておりましたセミナー内容の一部を動画でご覧いただけるようになりました。
こちらのページから、ご覧になれます。
さらに、8/26(土)・27(日)に東京・大阪でセミナーを開催いたします。
超高齢社会の様々な問題の解決の一助となるべく、
「脳若」事業の全容を今一度ご覧になりませんか？
＜セミナーお申込みページ＞
皆さんにお会いするのを楽しみにしております。
脳若ケアの詳細はこちら
