2026/1/22 光岡眞里の「あゆみ」メールマガジン【人口減少を「希望」に変える設計図】

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光岡眞里の「あゆみ」メールマガジン今日も元気にパワフルに!
作者:光岡眞里 2026年1月22日号 VOL.776
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私は77歳まで現役で働こうと決めている。これはもう10年以上前から心に決めていることだ。人生設計を立てる際、やはり元気なうちは社会に貢献したいし、何より社会との接点を持ち続けていたい。そして、死ぬ瞬間に至るまで、飽くなき探求心を持って学び続けたいと願っている。その為に今、何をするのが良いのか?という逆算ができると理想的だと思っている。
幸いなことに、私は「介護予防」という業界に身を置いている。そこでは、年齢を重ねてもなお、生き生きと自分らしく暮らしている素敵な人生の大先輩たちに数多く出会うことができる。彼らの姿は、私自身の未来への希望でもある。
最近、「日本化(Japanification)」という言葉を耳にすることがある。低成長、高齢化、そして停滞。これらを一括りにしたネガティブな文脈で語られがちだが、私はこの見方に少し違和感を覚える。むしろ、一度この固定観念を疑ってみる必要があるのではないだろうか。
確かに日本の出生率は1.2前後と低い。しかし、目を東アジア全体に向ければ、韓国や台湾、香港はさらに深刻なスピードで人口減少に直面している。その中で日本はバブル崩壊など、1990年代という早い段階から、この未曾有の事態に対して「混乱を避けながら、穏やかに新しい社会の形へ着地する」ための適応を、時間をかけて進めてきたと言えるのではないだろうか。「失われた30年」と嘆くのではなく。
私が最も注目したいのは、日本人の衰えない「活力」だ。WHOの統計による健康寿命(HALE)を見れば、日本は約73.4歳と世界最高水準。単に長く生きるのではなく、健康で活動的に過ごせる期間が圧倒的に長い。「75歳は、新しい65歳」なのだ。
このパワーを象徴する光景を、先日の大阪・関西万博の会場で目の当たりにした。
え!こんな高齢の方々が・・・と驚いたのだけれど、1970年の大阪万博を経験した世代の方々が、大勢会場に詰めかけていたのだ。「あの時の熱狂をもう一度肌で感じたい」「未来がどう変わるのか見届けたい」——。車椅子を押しながら、あるいは杖を突きながらも、瞳を輝かせてパビリオンを巡る高齢者の方々の姿には、静かなエネルギーが満ちていた。
半世紀以上の時を経て、再び未来を夢見て会場に足を運ぶ。この飽くなき好奇心こそが、今の日本を支える底力ではないだろうか。
事実、2024年の日本の就業者数は過去最高を記録している。人口が減る中で労働力が増えているのは、高齢者が社会とのつながりや尊厳を保つ手段として、自ら活動し続ける道を選んでいるからだ。
さらに未来へ目を向ければ、日本はロボティクスや再生医療といった「人間拡張」の技術で、新しい社会モデルを構築しようとしている。人口減少という課題を、最新技術と、万博で見せたような人間の旺盛な活力でどう乗り越えていくか。その最前線に、私たちは立っている。
日本は衰退しているのではない。成熟した高齢化社会という、人類がいまだかつて経験したことのない新しいステージへ、力強く移行しようとしているのだ。私は現場の実践者として、この変化を楽しみながら、77歳まで、いやそれ以上でも、社会と共に歩んでいきたいと思う。
おわり。
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