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光岡眞里の「あゆみ」メールマガジン今日も元気にパワフルに!
作者:光岡眞里 2026年04月09日号 VOL.787
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帝国ホテル 京都のあるコラムを読んで、ひとつのことを考えた。
総工費124億円。客室数55室。1泊300万円のスイート。数字だけ並べると、それは自分とは無関係な世界の話のように見える。だが、この記事が伝えたかったことは、そこではない、と思う。
帝国ホテルが京都・祇園の弥栄会館に選ばれた理由を読んで、納得した。
外壁のタイルを一枚一枚剥がして、使えるものを再利用する。棒で壁を支えながら中をすべて作り変える。「見た目はそのまま」を貫くために、気の遠くなるような手間をかける。
これは単なるリノベーションの話ではない。「ここにいる人たちの歴史と物語を守る」という覚悟の話だ。祇園の女将たちに認められるために、帝国ホテルは「一緒に考える」ことを選んだということだ。
インバウンド4000万人時代に、1人あたりの消費額は頭打ちになりつつある。量から質へ、という転換は、単に値段を上げることではない。
「この街だから、このホテルがある」というストーリーを持つことだ。
この話を読みながら、コロナ禍のことを思い出した。
京都の友人が写真を送ってきた。あれほど人で溢れていた祇園の石畳が、誰一人いない。金閣寺も、嵐山も、まるで時が止まったようにガランとしている。あの写真の静けさは、異様だった。同時に、あれほど人が押し寄せていた場所の「本来の姿」を初めて見たような、不思議な感覚もあった。
量がゼロになって初めて、その場所が本当に持っていたものが見えた気がする。
脳若でも、同じことが起きた。コンテンツをこんなにたくさん用意しています、使い放題ですよ、とずっと言い続けてきた。だがコロナを経て、その伝え方では何も伝わっていなかったことがわかった。量を誇っても、人の心には届かない。
届くのは、ストーリーだ。なぜこの事業をやっているのか。誰のために、何を守りたいのか。その問いに正直に向き合ったとき、初めて「質」の話ができる。
脳若を100年事業として育てていきたいと、本気で思っている。100年続く事業には、必ずストーリーがある。帝国ホテルが弥栄会館のタイルを一枚一枚剥がして再利用したように、積み重ねてきたものを丁寧に扱い、次の世代につなぐ覚悟が要る。
今年も京都に行く。毎年の定例だが、今年は少し違う目で歩いてみようと思っている。祇園の石畳を踏みながら、量と質のことを、ストーリーのことを、100年のことを、静かに考えてみたい。
おわり。
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