【濁り酒】2019/1/2 光岡眞里の「あゆみ」メールマガジン

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光岡眞里の「あゆみ」メールマガジン今日も元気にパワフルに!
作者:光岡眞里 2019年1月2日号 VOL.461 配信先数:2599名
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「もうこのへんで止めておくね」

そういって大台に乗る前の料金メーターの数字を消しました。

その運転手さんの名前は珍しく、読めなかった。
佐賀県東部の中央に鎮まる櫛田宮の神職の性だそう。

え、何のシチュエーション?

と思うでしょうか。

実は大晦日にまたまたやらかしまして…

博多駅からお年賀用に買物して帰ってたんです。
大きな荷物を一つと、濁り酒を5本、両手いっぱい。
脇にポーチをはさんで。

タクシーに乗ろうかなぁ
いやいや、節約節約…バスで帰ろう。

年末でダイヤは乱れ、
電光掲示板も表示されていなかったのですが
10分くらい待って乗り込みました。

で、

荷物も多いし迷惑なので座ったんですね。
5本のお酒を割れないように
じわっと置いて、それから携帯チェックして、
降りたんです。

折りてから30メートルくらい歩いて、
はたと気づきました。

持ってない

青い縞の小倉織のポーチ
もう一つの携帯も入ってる、カードも保険証も現金も
すべてがあの中に入っている

あ”~~~~~~~

バス停まで急いで戻って、
西鉄バスのお客様センターに電話しても通じない

やらかした
どうしよう

思わず
たまたま通ったタクシーに乗ったんですね
大荷物持ったまま

「すみません、ちょっと前にでた67番のバス、追いかけてください」

でちょっとした小旅行が始まりまして‥

大晦日、渋滞で…
バスセンターにようやく電話がつながるも、
いろんなところへ電話させられ、

「そろそろ営業所へ戻ってるとは思いますがそのまま次の運航になることもありますし、運転手から届けがない限りはバスを追いかけても意味がない、今日は帰って連絡を待ちなさい」

最終的にはそのような事を言われ、最後の営業所までたどり着いたのに泣きそうになる。

タクシーの運転手さん、

18年この仕事して、バスを追いかけろって言われたのは初めてだなぁ。
せっかくここまで来たんだ、もう一度事務所の方へ行ってみたら?

「ここは日本だ。日本人を信じようよ」

タクシーの中で何度かそれを言われた。

半泣きで大荷物置いたままタクシーを降り、
たくさんのバスが並んでる中を歩いていきました。
歩き始めてすぐ、たまたま、目に入ったバス、運転手さんがガソリンを補給してたんですね。

ちょうど目が合って・・・
ダメ元で声かけてみました

「博多駅からきたバスですか?」

その返事が何だったかというと…

「青いのだろ?」

えっ。

運転席の横のところに青いポーチが置かれてる。

うっそっ!

「さっきのお客さんが忘れていったって、すぐ呼んだんだけど気付かないで行っちゃったんだ、他のお客さんも、あ~あって、あとで取りに来られるよって話したんだ」

抱きつきたいくらい嬉しかった。

で、帰りのタクシーでの話。

脱サラして事業を始めたんだけど、失敗してね。
今は気楽な運転手やってるけど、
自分の名前には日本人として誇りを持っている

「お客さん、ほんとに良かったねぇ」

「世の中には取り返しがつかない事、どうしようもない事もたくさんある。良かった良かった」

大晦日、しっかりと自分を戒めながら
起きたことすべて感謝して新年を迎えました。

バスとタクシーの運転手さん、

あの「濁り酒」、美味しかったでしょ?

おわり

今年もよろしくお願いします。
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