通所A受託準備で毎日『脳若』。4ヵ月で延べ250人、差別化をアピール

介護予防・日常生活支援総合事業の波紋

自治体が平成29年度までに移行しなければならない総合事業(正式には介護予防・日常生活支援総合事業。厚労省の資料はこちら
介護業界含め事業者として、これからはいかに地域と密着したビジネスを展開できるかが大きなポイント。当然、国の予算をあてにすることを言っているのではありません。介護報酬が引き下げられ、利益を出すことすら難しい今、業界も生き残りをかけて模索しています。介護保険がいつか底をつくのなら、何もしないでいるとおそらく立ち行かなくなってしまう。国も社会も団塊の世代が75歳以上になる2025年、そしてその次の世代、またその次の子や孫の世代の為に今どうすべきなのか?を真剣に考える必要があるのだけど・・・・日々、暮らしていかなければならないのも事実です。そんな中、この度の介護保険制度改正、介護業界だけでなく、戸惑っているのは地方自治体だと今年一年現場を歩いてみて強く感じています。先月、厚生労働省老健局の「認知症施策推進室」と意見交換をさせていただきましたが、どの自治体も戸惑っていることは認識しておられる。制度を作られる方も日々戦いなのでしょう、情報発信も遅れ気味です。特に私どものライセンス先様で通所Aを受託予定で動いているところは自治体の明確な回答も遅く、(近隣の自治体の動きを見てから方針を検討する、なんていうころが圧倒的に多いのです。)情報が少なすぎるという声をよく聞きます。

脳若ステーション@機能訓練型デイサービス「健やかな木」。『脳若』毎日開催、4ヵ月で延べ250人!差別化をアピール。

姫路の太子町、おおはら接骨院(http://o-haraseikotsuin.com/)にお伺いしたのは今年7月。岐阜での講演会の前に寄り道しました。
まだ、ライセンスのご契約をいただいてすぐでしたので今から準備、という時期でした。

実際に脳若ステーションが行われているのは太子町にある機能訓練型デイサービス「健やかな木」。脳若担当で、生活指導員でもある若手ホープの神應寺君が現場、営業、そして自治体との交渉を頑張っています。アカデミーは福岡で受講され時々電話やメールで自治体の動きについて情報交換しています。

機能訓練型デイサービス「健やかな木」

機能訓練型デイサービス「健やかな木」

「え?毎日やってるの?!」

「はい。受講者さん少ないときでも今は勉強と思って。毎日、午前午後やってます」

若いっていいですね。息子と同じ年代で若いパパという事もあり、エネルギーを感じます。デイという場所は飽きがこないように職員さんはどこも大変な努力をされていますが、こちらは新しい切り口で外部にもアピールできる『脳若』で差別化を図っているとの事。また、毎日のように耳にする「認知症」というキーワードに利用者様が敏感に反応され、孫世代が使っているiPadに触れるという事で余計に興味がわいているのだそうです。もちろんケアマネや地域包括へも積極的に宣伝しておられます。来年は自治体の協力を得、各公民館に声掛けをして脳若体験の機会をドンドン作っていく!とやる気満々の神應寺君、新たな活動報告が楽しみです。

デイサービス「健やかな木」での脳若講座

デイサービス「健やかな木」での脳若講座

ある日送られてきたメール

「今日の講座に認知症の方が参加され、これぞデイサービス という雰囲気が伝わる写真が撮れましたので送らせていただきます。普段から気性が荒く、対応が難しい方なのですが、『脳若』で接しているうちに自ら話しかけてくれたり、笑顔も見られるようになりました。介護業界の人間が忘れかけていた事が自然な形で行えています。」
このメールは嬉しかったですね。

デイサービス「健やかな木」での脳若講座

デイサービス「健やかな木」での脳若講座

今の時期、まさに自治体との交渉で私との電話やメールのやり取りも多くなってきました。とにかく地域の公民館で自主開催でいいから実績を作ること、担当者向けのデモ講座、これが必須だと伝えました。見て、体験してもらわなくては始まらないからです。いよいよ来年の6月から『脳若』を活用して総合事業を行う事になるのですが、ただ単に講座の開催、機能訓練による予防効果を上げる事だけに注力するのではなく、まだまだお元気な高齢者の発掘、育成を行いボランティアや地域活動へ促すことを同時に行ってほしいと考えています。地域への広がりを事業者自身が実践することが国のいう「住民主体の・・・」に繋がり、ゆくゆくは自分のビジネスにもきっと有益な影響を与えることになるはずです。