総合事業における協議体の作り方【事例をどれだけ作れるか?】

2日間の総合事業提案セミナーが終了

定期的に開催している総合事業提案セミナーは毎回、ありったけの力を振り絞る感じ。なぜかというと、毎回同じことをやってないから。情報は常に新しくなるし、それに合わせた形で提供しなければ意味がないからです。今回は1日目に本社でセミナーを開催し、2日目は福岡県粕屋町の総合事業の事例見学、というみっちり、バタバタコースでした。

印刷物は毎回分厚くなってきているが、このほかに大量のデータもお渡しする。動画のリンクも。

今回の受講は銚子大洋自動車教習所様と熊本県天草市から株式会社モガ様。どちらの地域も40%近い高齢化率に加え、少子化がかなり進んでいるという深刻な地域です。ガッツリと学ぶために福岡入りされました。

一日目終了後に撮影。まだ明日があるぞ、的な顔。

講座の中では、総合事業(介護予防・日常生活支援総合事業)は自治体によってやり方もスピード感も違うのでいろんなパターンを知ることが必要であることをお伝えします。我々脳若事業者として何が出来るか?を明確にし、自治体と、地域住民と、同じビジョンを描けるところまでもっていけるか、が大きなポイントとなる!と伝えています。

いわゆる介護予防講座を委託されることだけを仕事とするのではない、ということを再度確認。主に福岡県でサムライトが手掛けている総合事業のやり方をパターンごとに知ってもらい、ご自分の地域でどのように提案できるか?をさぐっていく作業となります。

初日、いろんなパターンを学び、さらにサポータ養成講座や単発の講演で伝えるべきポイントを抑えたうえで2日目の実際の自治体さんで行われる会合へ乗り込むわけです。

協議体の現場を肌で感じる

今回は福岡県粕屋町の「かすサポ報告会」へお連れしました。レジメと内容については前日の夜まで協議体のSC(生活支援コーディネータ)とメールで打合せしました。私どもはこのSCの方の強力なバックアップをすることが大きな役目となっているのです。しっかりとヒアリングし、提案する。協議体のSCさんは沢山のやらなければならない仕事を抱えている。これをしっかりとご支援していくのです。このことにより自治体、住民と信頼関係を作っていくことが可能となる。

今回のレジメと説明資料。最初は今年度の活動の報告から。

会場に着きましたら、早々と生活部のサポータであるNさんがお手伝いにこられました。85歳です!時に、年下の方のご支援をすることもある、まだまだパワフルな大事な粕屋町の財産です。

生活部と運動部のサポータをされているパワフルなNさん。

少しずつ人が集まってきました。最後は満席に。

今回、開催名は「平成29年度かすサポ活動報告会」というもの。「かすサポ」というのは粕屋町のサポーターだから「かすサポ」と言います。うちのスタッフが命名しました(笑)

自然な形で協議体を作る、それが長続きの秘訣

粕屋町では、この「かすサポ」という組織を作り上げ、自然な形で協議体にしようとしています。第1層、第2層をかねた形です。この「かすサポ」は部活動という名のもとに「出来る人が出来る範囲で」というスタンスで皆で主体的に活動し、楽しめるという雰囲気作りを大切に運営しているのです。15年ほど前からサロンのボランティア組織を作ってきた粕屋町。ここをうまく活用して通所型サービスB(住民主体)としています。これを「サロン部」と位置づけ、「かすサポ」の組織にうまく組み入れたのです。今年一月から発足した「脳若ケア」を活用する「脳若IT部」、ゴミ出しや見守りのマッチングを行う「生活部」(訪問型サービスB住民主体)、そして「運動部」と柱をたて、一つの協議体としています。ここまで描くのに時間かかりましたね。総合事業が始まる前の平成26年3月からサポータ養成講座を開始しましたからかれこれ3年です。

報告の後、前回開催したファシリテーションの振り返りから説明

かすサポの説明をしながらビジョンを共有していく

この「かすサポ」の組織をなぜ作るのか、どの方向へ行くのか、明確に説明する必要があり、サポータの方々とビジョンを共有することが必要になります。これは一回やっただけでは伝わりませんしモチベーションも続きませんので、毎回のように確認することが必要になります。

会の終了後、何人かのサポーターさんが私のところへ声をかけに来てくださいます。「時々話をきいてはっとすることが必要」「元気をもらいに来た」「また頑張れる」などなど。本当はこちらが元気を頂いているんですけどね。

総合事業は時間がかかります。でもやり始めないともっと遅れるし地域差は広がるばかり。「住民主体」という言葉が先走ってはいけないです。成功のカギは当然、主体的であることですがそこまで持っていくのには仕組みとノウハウが必要だと思います。サムライトは脳若事業でこれを全国へ広めたいと考えています。当然ながら自治体ありきではありません、結局はコミュニケーションと人材育成です。ステップの一つの段階だと捉えています。

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★2月のセミナー
2月17日(東京)2月18日(大阪)
動画セミナーはいつでもご視聴になれます。

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